本番の朝は4時起きでした。4時45分に朝食をとり、メイクやプロップの準備など全てを整えて、6時のバス出発に備えます。
会場となるBren Events Centerは、カルフォルニア大学アーバイン校のアリーナです。(Zipアリーナと同じくらいの大きさ?)館内のフロアには窓がなく、暗転にできるため、照明や音響の効果は抜群です。アメリカのMiss Dance Drillの協会が主催しているこのイベントは、全米各地からダンスの名門校が集まり、技を競い合います。各チームのプリマドンナ1名が集結し、大会の目玉となる部門では、ダンスはもちろんウォーキングやスピーチ、スタイル審査が行われます。グランプリになるとブロードウェイへの道が開かれるという、いわばダンスの世界の登竜門だということでした。
アーバインの大学は敷地が恐ろしいくらい広く、学生達はみんな車で通学(でないと来れない)です。サッカー場がゆうに6面とれるグラウンドと、モモスタ級の球場が2つ、テニスのオムニコートが少なめに見積もっても10面、水球プールが2つとれるプール。ざっと見渡した(散歩してみた)だけで、それだけのものが目に入りました。その向こうに何があるのかわかりません。恐るべし・・。
さて一高ダンスチームに戻ります。会場に到着したのがまだ薄暗い6時30分。当然施設は空いていないので、開場までの1時間はアップと細部の確認となります。ランニングをして体を温め、プロップのタイミングや位置を確認。日本チームでは一番目に演技するだけに、少しづつ緊張も高まります。青山先生から、リラックスできるようにと、アドバイスと若干の修正をいただきました。
さあいよいよ出番の10分前になりました。お互いに気合を入れ合います。緊張の中にも、このチャンスを楽しもうという、一高ならではの前向きさが伝わります。気持ちを一つに頑張ります!
動画でお見せできないのが残念です。許可されたカメラマン以外は撮影が認められませんでした。静止画像でご想像ください。
素晴らしい演技が完成しました。開場から大きな拍手に包まれて、やり遂げられた充実感で満たされました。開場から退出し、記念撮影。
朝一番で仕事をやり尽くして、後は観戦だけとなりました。館内ではしっかり応援するのですが、朝早かったのと、緊張から解放されたのとで、疲れが一気にでた感じがします。
お昼ご飯(日本食のお弁当・海老フライとハンバーグ)を食べるとなおのこと眠くなり、控え室でダウンです。休みながら(観客席で寝るわけにはいかないっ・・!)長い1日を乗り切ります。
このダンスドリルの大会は、たくさんのカテゴリーがあり、一高がエントリーしているプロップもその一つです。他にミリタリーやヒップホップなど、アメリカでは13の部門に分かれているとのことでした。1つの学校から出てくる同じチームでも、複数のカテゴリーに出場することが可能なため、参加校があふれるということはないようです。それぞれ三々午後に集合し、自分の演技が済めばどこかに行ってしまうという、極めてアメリカ的なスタイルで進行していました。細かいことは長くなるので省きますが、さすがにダンスの本場ということもあり、午後からのペイジェント・プログラムに出場する団体は、どれも極めて水準の高いものでした。
演技終了後、館外でアメリカのチームと交流しました。みんなとっても人懐っこくて、すぐに打ち解けました。英語はコミュニケーション・ツール。身につけておいて損になることはありません。会話できると楽しい。
表彰式が始まったのは8時をまわっていました。岡山一宮高校は、Universal Competitionのプロップ部門で、見事3位を受賞しました。しかし何より、世界の舞台で自分たちの演技を、自分たちの力でやり遂げたことが一番嬉しいことでした。様々な厳しい状況を乗り越えて、この仲間たちと過ごせた時間こそ、何よりの宝物となりました。涙をこらえることができませんでした・・。
ホテルに到着し、メイクも落とさずそのまま夕食開場へ。ご飯を食べて、簡単に明日のためのミーティングをした後、青山先生のコメントをいただきました。ここでも涙・・。長い1日が終わります。きっと一生忘れないと思います。
明日は帰国です。疲労も限界に来ていますが、なんとか元気です!