1. ホーム
  2. ブログ
  3. SSH
  4. E-PBL AWARD ZERO 2025 にて本校が「サイエンス・リサーチ賞」を受賞しました

本校生徒が出場した E-PBL AWARD ZERO 2025 において、岡山一宮高校の発表

「『使う』英語は自信を育てるのか― 日韓高校生の比較分析を通じた、英語学習における『目的意識』の再考 ―」

が、サイエンス・リサーチ賞を受賞しました。

■ 発表内容について

本研究は、韓国の高校との交流をきっかけに生まれた疑問からスタートしました。

「なぜ韓国の高校生は、あんなに自信を持って英語を話せるのか?」

交流を通して、日本と韓国の高校生には大きな違いが見えてきました。日本の生徒は「正解を気にする」「インプット中心」なのに対し、韓国の生徒は「アウトプットを恐れない」「英語を自分の言葉として使う」傾向が見られました。

そこで生徒たちは、「英語を使う機会の多さが、自信を生んでいるのではないか」という仮説を立て、検証を行いました。

■ 科学的なアプローチによる分析

研究では、日本と韓国の高校生計200名を対象にアンケート調査を行い、

  • 英語使用機会
  • 英語に対する自信
  • 学習時間や環境

などを定量的・定性的の両面から分析しました。

特に特徴的なのは、統計的手法としてSpearmanの順位相関係数を用いた点です。その結果、英語を使う機会と自信には有意な相関はあるが、相関係数は ρ=0.33 と「弱い相関」にとどまるという結果が得られました。これは、「単に話す機会を増やせば自信がつく」という単純な関係ではないことを示しています。

■ 新たな発見:「目的意識」という視点

そこで生徒たちはさらに一歩踏み込み、「なぜ同じように英語を使っていても差が生まれるのか」という問いに挑みました。

自由記述の分析から見えてきたのは、英語に対する“意味づけ”の違いでした。

  • 日本の高校生  → 「受験のため」「試験科目」「義務」
  • 韓国の高校生  → 「世界を見る窓」「研究の道具」「論文を読むため」 

つまり、自信を生むのは「使用機会」だけではなく、「何のために英語を使うのか」という目的意識であるという結論に至りました。

最終的には、「英語を学ぶ」から「英語で探究する」へという教育への提案を行いました。

■ 受賞理由(審査員講評より)

審査員の先生からは、次のような講評をいただきました。

  • サイエンス・リサーチ賞は 「理系テーマ」であることではなく、サイエンスの方法で分析しているかを評価する賞である
  • 本校の研究は、定量的・統計的手法を用いて丁寧に分析していた点が優れている

というコメントもいただきました。

審査員の先生ご自身も大学で生物を教えておられる立場から、英語を「学習の対象」ではなく知を広げるための道具として捉える視点の重要性が強調されました。

■ 本校の探究の価値

今回の受賞は、

  • 身近な疑問から問いを立てる力
  • データに基づいて検証する力
  • 仮説を修正しながら本質に迫る力

といった、本校が大切にしている探究の姿勢が評価されたものです。テーマが文系・理系であるかに関わらず、「どのように分析するか」こそが探究の質を決めるということを示す象徴的な発表となりました。

■ 今後に向けて

発表した生徒たちにとって、今回の受賞は大きな自信となりました。

同時に、探究活動で身につけた力が社会や学問とつながっていることを実感する機会にもなりました。

岡山一宮高校では今後も、

  • 根拠に基づいて考える力
  • 社会とつながる学び
  • 学びの「目的」を問い続ける姿勢

を大切にしながら、生徒一人ひとりの探究をさらに深化させていきます。