6月11日(木)、理数科1年生80名を対象に「自然科学入門講座Ⅰ(フィールドワーク講習会)」を実施しました。
本講座は、7月に実施する蒜山研修に向けて、自然科学研究の研究手法の一つであるフィールドワークについて理解を深め、研究に対する心構えや調査の方法を学ぶことを目的として行われました。講師として、岡山理科大学理学部動物学科の小林秀司教授をお招きし、「フィールドワークと動物の研究 ― ヌートリアを通して何が見えるのだろう? ―」をテーマにご講演いただきました。
身近な自然にも研究の種がある
「フィールドワーク」と聞くと、ジャングルや深い山奥での調査を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし講演では、身近な河川や公園、農地などにも研究対象となる自然現象や生物の痕跡が数多く存在することが紹介されました。
特にヌートリアを例に、けもの道や足跡、食痕、糞などの「アニマルサイン」を観察することで、実際に動物を見かけなくてもその行動や生態を推測できることを学びました。生徒たちは、動物研究が特別な場所だけでなく、身近な環境から始められることに驚いた様子でした。
「見る」のではなく「読み取る」
講演では、動物の痕跡から情報を読み取るアニマルトラッキングについて詳しく説明していただきました。
足跡や食痕、糞の形状を観察し、「どの動物が」「いつ」「どのような行動をしたのか」を推測することは、まさに科学的な探究活動です。
また、フィールドワークでは単に観察するだけでなく、
- 自分が興味をもった対象を見つけること
- 仮説を立てながら観察すること
- 動物の立場になって考えること
が大切であると教えていただきました。
安全に調査を行うために
蒜山研修を控える生徒たちにとって、調査時の安全管理について学べたことも大きな収穫でした。
講演では、近年話題となっているマダニやその媒介感染症について説明がありました。長袖・長ズボンの着用や肌の露出を避けることなど、フィールドワークを安全に実施するための具体的な注意事項についても学びました。
自然を調査する際には、研究の視点だけでなく、自分自身の安全を守る意識も重要であることを再確認する機会となりました。
蒜山研修への期待が高まる講演に
今回の講演を通して、生徒たちはフィールドワークが単なる自然観察ではなく、「問いをもち、証拠を集め、考察する」科学的な研究活動であることを学びました。
来月の蒜山研修では、今回学んだ視点を生かしながら、自然の中に隠されたさまざまな情報を発見してくれることと思います。
小林先生、貴重なお話をありがとうございました。理数科1年生にとって、これから始まる探究活動への期待が大きく膨らむ有意義な講演会となりました。




