6月4日(水)2年生を対象に行われた国語(漢文)の授業では、「中国の漢詩や漢文が日本文学に与えた影響」をテーマにした探究チャレンジが行われました。
言葉で伝える、言葉を受け取る
この日の探究チャレンジでは、スライドや資料の提示は一切行わず、「自分の言葉で語る」「相手の言葉を聴く」という原点に立ち返った生徒の表現活動が中心となりました。
生徒たちはあらかじめ調べてきたことをもとに、少人数のグループで発表を行いました。内容は多岐にわたり、中国の詩文が日本の古典に与えた情感表現、価値観、言い回しなどの影響について、それぞれの視点から語られました。
例えば、
- 梅の花を題材にした詩から、「風に香る記憶」が文学にどう織り込まれたかを読み解くグループ
- 左遷された人物の詩から、「哀しみ」や「諦め」をにじませる日本文学の表現のルーツを探るグループ
- 日本の物語文学に見られる「直接言わずにほのめかす」表現の美しさが、漢詩の影響によるものではないかと考察したグループ
など、実に多様な発表が行われました。
深まる理解、広がる視野
発表後には、「どのような影響が日本文学に見られるか?」をテーマに、グループで意見を出し合い、まとめる活動も行いました。人の発表を聞いて得た気づき、調べてきた知識、自分なりの解釈を言葉にして、再び仲間と共有する時間。ここで大切にされたのは、「意味を調べるだけでなく、その背景や感情を想像する力」でした。
授業の最後には先生から、「文学の探究をする上で大切なのは、まず言葉の意味を丁寧に理解すること。そして、そこからどんな思いが込められているかを考え、自分の言葉で語ること」というメッセージがありました。
生徒の声より
「咲く」ではなく「笑う」と表現された花に、詩人の心情を感じた
「気づかれなかった花」の話から、自分が大切にしているものを再認識した
言葉の一つひとつに歴史や感情があることを感じた
言葉を読み、言葉で語り合う
目には見えない「文学の影響」を、自分たちの手でたぐり寄せていく。そんな生徒たちの姿が印象的な一時間でした。今後もこうした対話的な学びを通して、表現力や解釈力を磨いていってくれることを期待しています。








