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  4. 第7回探究チャレンジー“実験をどう読み解くか”がカギ!等加速度運動の本質に迫る物理の授業

6月3日1年生の物理の授業では「等加速度運動」をテーマに探究チャレンジが行われました。今回の授業では、ただ実験するだけでは終わらず、「データをどう解析するか」「なぜそのような結果になるのか」をとことん掘り下げ、生徒たちの思考力を刺激する内容となりました。

実験は“入口”にすぎない。大切なのはその“読み解き方”

生徒たちは、前時に行った斜面上の台車の実験データをもとに、自宅でグラフの作成や仮説の整理を進めてきました。この授業では、その成果をもとに、いかに正確に接線を引き、速度を導出できるかを班で議論しながら再解析しました。

教師からは「傾きが少し違えば、求める速度も全く変わってしまう」「接線をどう丁寧に引くかが肝心」との問いかけがあり、生徒たちはグラフの形状や傾向に注意を払いつつ、微妙な誤差の原因を分析しました。

「なぜずれる?」その問いが考察力を育てる

多くの生徒が、同じ実験をもとにしても異なる数値が出てしまう経験をしました。「なぜ結果がズレたのか?」という問いから、“測定方法の違い”や“接線の取り方”、“初期条件の解釈”など、原因を論理的に検証。単に「間違えた」で終わらせず、「何が原因だったのか」を探ろうとする姿勢が印象的でした。

数値から文字式へ。物理の本質に迫るアプローチ

授業の後半では、「等加速度運動」の本質を理解するために、台形の面積を使った変位の計算や、等加速度運動の公式の導出にも挑戦しました。具体的な数値を扱った後に、それを文字に置き換えることで、どんな状況にも対応できる汎用的な式が生まれることを実感。「公式=便利な道具」としての理解が、さらに深まりました。

探究の6段階のうち「整理」「考察」「実行」にフォーカス

この日の授業では、「整理・考察・実行」のステップに重点が置かれました。単なる実験ではなく、実験→解析→再検証という往還のサイクルが生まれたことで、生徒たちは「仮説を立て、検証する」科学のプロセスの面白さを体感していました。

探究とは“ズレ”にこそ価値がある

今回の物理の授業では、まさに「探究」の本質が表れていました。意図した通りにいかないデータ、予想と異なる結果。そうした“ズレ”をきっかけに、思考を深めていく。科学の入り口に立つ高校生たちの真剣なまなざしが、印象的な時間となりました。