11月5日、2年生の古典探究・文系漢文の授業では、『孟子』の代表的な一節「性善」を題材に学びを深めました。この単元では、漢文の文法理解に加えて、「人間とはなにか」「善悪とはどこから生まれるのか」という哲学的な問いに向き合う「思考の探究」を行っています。
■ 漢文と生成AI
この日の授業では、生成AIを使って漢文法の理解を深めるという探究チャレンジが行われました。生成AIに白文を入力し、書き下し文を作ってもらい、その書き下し文の正誤を漢文法の知識を使って検証していくという活動に取り組みました。
■ 漢文法の理解と批判的思考力
生徒は、生成AIの作る書き下し文の正しさを検証したり間違った書き下し文を正すためのプロンプトを入力したりする過程で、漢文法の理解を深めました。またこの活動を通して、批判的思考力を養うこともできました。
■ 教師からのメッセージ
担当の元田先生は、「国語という教科は、言葉を通して人間を理解する教科。漢文法という知識をツールとして、漢文に現れている人々の考え方を知り、人間というものに対する自分の考えを深めてほしい。」と話します。探究の根幹にあるのは、習得した知識を使って思考した結果生まれる「問い」です。本校では、国語・数学・理科といった教科の枠を超えて、すべての学びを「探究」へとつなげていく授業づくりを進めてまいります。
■ 編集後記
古典を通じて「人間の本質」を考えるこの授業。一見難しそうに見える漢字や句形も、知識として理解すれば思考の道具となり、自分自身の考えを磨く手がかりになります。これこそ、岡山一宮高校の探究チャレンジが目指す「思考の深まり」と言えるでしょう。



