8月7日(金)、普通科・理数科の1・2年生25名が、岡山理科大学で行われた「先端研究所研修」に参加しました。今回の研修では、大学で行われている研究について話を聞くだけではありません。数学を使って身近な現象を考え、恐竜学博物館を見学し、午後からは自分の興味・関心に応じた研究分野へ。そして大学の先生方から、最先端の研究について直接学びました。
「大学では、どのように研究しているのだろう?」
高校での学びから、その先にある「本物の研究」へと視野を広げる一日となりました。
目的は「見学」ではなく、自分たちの探究を深めること
今回の研修の目的は、研究施設が充実し、さまざまな研究が行われている大学を実際に訪問することで、研究内容への理解を深めることです。しかし、大学を「見学して終わり」ではありません。大学では、どのように研究テーマを設定しているのか。どのような方法でデータを集め、分析し、研究を進めているのか。大学で行われている研究から学び、それを自分たちの課題研究の改善や深化につなげていくことを目指しています。また、最先端の科学がどのような課題に向き合っているのかを知り、身の回りの現象に対して「なぜだろう?」「もっと知りたい」と疑問や課題意識をもつことも、大切なねらいの一つです。
ミツバチの巣を「数学」で見ると?
午前中は、「ミツバチの巣づくりを数学で探る~身の周りの現象と数理モデル~」という講義からスタートしました。ミツバチの巣と数学。一見すると、まったく異なるもののように感じるかもしれません。しかし、私たちの身の回りにある現象を数学という「ものの見方」を使って捉えてみると、そこには新しい問いが生まれます。学校で学ぶ数学は、問題集や入試問題を解くためだけのものではありません。現実の現象を整理し、その特徴を見つけ、仕組みを説明するための道具にもなります。普段の授業で学んでいることと、大学で行われている研究とのつながりを感じる機会となりました。
「見る」だけでなく、「触って、確かめて、質問する」
続いて、生徒たちは岡山理科大学の恐竜学博物館を訪れました。今回の研修で大切にしたのは、説明を聞くだけではなく、自分から研究に近づいていくことです。実際に展示物に触れ、自分の手で確かめる。そして、そこで生まれた疑問を専門家に質問する。参加した生徒からは、こんな感想がありました。
「自分の興味や、訪問して出てきた疑問を解決するために、担当してくださった学芸員さんや教授の方々に質問をしました。」
「分からないことがあったから質問する。」とてもシンプルですが、探究において大切な姿勢です。
25名が、それぞれ興味のある研究分野へ
午後からは、それぞれの興味・関心に応じて研究分野に分かれて研修を行いました。
今回参加した25名の内訳は、 物理分野 11名 化学分野 10名 生物分野 1名 情報分野 1名 数学分野 2名 です。
人数はさまざまですが、大切なのは「自分がもっと知りたい分野」を選んでいることです。
大学の研究室では、どのような問いを扱っているのか。
その問いに答えるために、どのような方法で研究しているのか。
第一線で研究に取り組む大学の先生方から直接話を聞き、高校で学んでいる各教科の先に、さらに専門的で奥深い研究の世界が広がっていることを感じる時間となりました。
「学校で習ったこと」の、その先へ
生徒の感想には、こんな言葉もありました。
「今まで自分の知らなかったことを知れて、たとえば、恐竜博物館では、実際に触って、手で確かめて、楽しく学べました。また、化学のことを、学校で習ったものよりも詳しく知ることが出来ました。」
「学校で習ったものよりも詳しく知ることができた」。この言葉は、今回の研修の意義をよく表しているように思います。高校での授業は、学びのゴールではありません。授業で学んだ知識の先には、まだ分かっていないことや、さらに専門的な世界が広がっています。「もっと知りたい」と思ったとき、その先へ進んでいける。大学での研修だからこそ経験できる学びです。
大学で得た「気づき」を、これからの探究へ
本校では、生徒に身につけてほしい力を「iコンピテンシー」として整理しています。今回の研修では、特に「情報分析活用力」と「決断実行力」の育成を目指しました。
見たり、聞いたり、触れたりして、多くの情報を得る。
そこで生まれた疑問をそのままにせず、専門家に質問してみる。
そして、得られた新しい知識や視点を、自分自身の学びや課題研究につなげていく。
今回参加した25名が大学から持ち帰ったものは、知識だけではないはずです。
「もっと知りたい」
「自分でも調べてみたい」
「こんな研究をしてみたい」
そんな新しい問いが一つでも生まれていれば、今回の研修は次の探究へのスタートになります。25名それぞれが持ち帰った「気づき」が、これからどのような探究へとつながっていくのか。今後の生徒たちの成長が楽しみです。





