本校では入学式後、新入生および保護者の皆様に向けて「サイエンスレクチャー」を実施しました。
このレクチャーでは、普通科・理数科の在校生が、自らの探究活動の成果や学びの過程について発表を行いました。
■「探究」とは何か
本校の探究活動は、教科書にある正解を覚える学びではありません。
日常の「なぜ?」という気づきから問いを立て、試行錯誤しながら解決に向かう学びです。
今回のサイエンスレクチャーは、
・発表する生徒にとっては学びの振り返り
・聞く生徒にとっては新たな視点の獲得
という「学びの循環」を生み出す重要な機会となっています。
■普通科の発表
テーマ:「『使う』英語は自信を育てるのか」
韓国の高校生との交流をきっかけに、
「なぜ彼らは英語に自信を持って話せるのか?」
という問いから研究がスタートしました。
日本と韓国の高校生約200名への調査・分析を行い、
・英語の使用機会は韓国の方が多い
・スピーキングの自信も韓国の方が高い
という結果が得られました。
しかし、分析の結果、
英語の使用機会と自信の相関は「弱い正の相関(ρ=0.33)」にとどまり、
「使う機会を増やすだけでは自信は高まらない」
という結論に至りました。
さらに考察を深める中で、
・日本:英語=試験科目
・韓国:英語=探究や社会とつながる道具
という「目的意識の違い」が本質であることに気づきました。
この研究は、E-PBL AWARD ZERO 2025において
サイエンス・リサーチ賞を受賞しています。
■理数科の発表
テーマ:「銅クロロフィリンを用いた染色」
植物の色素であるクロロフィルは環境に優しい一方で、
紫外線に弱く退色しやすいという課題があります。
そこで生徒たちは、
「中心金属をマグネシウムから銅に変えれば安定するのではないか」
という分子レベルの仮説を立て、検証を行いました。
実験は失敗の連続でしたが、
・pH条件
・媒染液
・抽出方法
などを論理的に分析し、何度も再設計を行いました。
その結果、
自作した色素が市販品を上回る紫外線耐性を示す
という成果にたどり着きました。
この研究は、
中国・四国・九州地区理数科課題研究発表会への出場も予定されています。
■本校が育てたい力「iコンピテンシー」
本校では探究活動を通して、次の3つの力を育成しています。
- 情報分析活用力
- 論理的思考力
- 決断実行力
これらは、単なる知識ではなく、
社会で課題を解決していくために必要な力です。
■「2年後の自分」をイメージする時間
今回発表した生徒たちも、2年前は新入生でした。
何も分からない状態からスタートし、
・問いを立て
・検証し
・考察し
・発信する
というプロセスを通して大きく成長しました。
本校の探究は、
「なんとなくやる」から
「論理的に設計し、検証する」学びへと変えていきます。
■新入生の皆さんへ
岡山一宮高校には、
挑戦を支える仲間と、失敗を歓迎する文化があります。
これから皆さんがどんな問いを見つけ、
どんな探究の旅に出るのか。
2年後、この場所で皆さん自身の成長を語ってくれることを、
心から楽しみにしています。


