岡山県の人口モデルに挑んだ数学Bの特別授業
6月4日(水)2年生の数学Bの授業において、「数列を利用した岡山県の人口モデル」をテーマにした探究チャレンジ授業が行われました。
今回の授業は、日常のデータを数学的に捉え、論理的思考力・情報分析活用力・判断実行力といった力を総合的に育てることを目的に展開されました。
■ 授業の導入:「めあて」から始まる問題解決型学習
黒板には大きく「数列を利用して、岡山県の人口を予測してみる!」というめあてが掲示され、課題解決に向けて数式が展開されていきます。
この授業で扱ったのは「等比数列」。時間の経過とともに変化する人口データに着目し、増減の割合から将来の人口を予測するモデルを自らの手で作成しました。
■ 生徒たちの活動:データから未来を読み解く
配布されたワークシートには、令和7年3月・4月・5月の岡山県の実際の人口データが記載されています。
生徒たちは、
- 実際の転出入の数から「変化率(r)」を算出
- 一般項の式を立てる
- 今後の人口を予測する
といったステップで、数列の理解を深めながら、岡山県の未来人口を数学的に予測する活動に取り組みました。
■ 「数学」と「社会」のつながりを実感
この授業の最大の特徴は、「数列」という一見抽象的な数学の知識が、現実世界に即した人口予測という具体的な課題と結びついている点です。
生徒たちは「自分の住む岡山県の未来を、自分の手で予測している」という実感を持ちながら課題に向き合っており、主体的・対話的で深い学びが生まれていました。
■ SSH探究活動との接続:iコンピテンシーの育成
今回の授業では、SSHで重視するiコンピテンシーのうち、
- Ⅰ 情報分析活用力
- Ⅱ 論理的思考力
- Ⅲ 決断実行力
の3つが明示されており、生徒たちはそれぞれの力を意識しながら学習を進めました。数学的モデルを自ら構築するという経験は、探究活動の基礎力としても重要です。
■ 教室から始まる未来予測
教室という小さな空間の中で、数学を使って社会の課題を読み解く力を育てる。
このような授業を通じて、生徒たちは「数学は公式を覚えるだけの科目ではない」という認識を持つとともに、「データを読み解き、活用する力」の重要性を実感しました。
今後の探究活動にもつながる学びが、着実に教室から広がっています。





