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  4. 第8回探究チャレンジー書で四字熟語を“探究”する 書道×計画・実行の力

6月3日、1年生の書道の授業で「探究チャレンジ」が実施されました。今回のテーマは、四字熟語が書かれた行灯(あんどん)の制作に向けた草稿づくり。言葉を選び、文字の意味を調べ、構成を練るという、“書く”以前の思考と準備に焦点を当てた学びでした。

言葉を選ぶ〜自分の想いと向き合う時間〜

授業の冒頭、生徒たちは自分の心に響く四字熟語を選ぶところからスタート。「粉骨砕身」「一期一会」…それぞれの言葉には、生徒自身の価値観やこれからの目標がにじんでいます。

選んだ理由も一人ひとりが記入し、「なぜこの言葉を作品にしたいのか」という探究の原点を明らかにしていきました。

情報を集め、意味を深める〜字典とChromebookを駆使して〜

四字熟語を決めた後は、意味や由来をChromebookで調べたり、文字の字体を字典で確認したりする情報収集活動へ。ここでは「情報分析活用力(iC)」が発揮されます。

字典をめくる中で、生徒たちは篆書・隷書・草書など複数の書体を確認しながら、自らの制作意図に合ったものを考えました。

書として“構想”する〜配置とバランスにこだわって〜

情報をもとに、次は草稿に取りかかります。文字の配置、字の大きさ、余白の取り方など、紙の上で全体の構図を試行錯誤。

この過程では、「決断実行力(iC)」が求められます。自分のイメージをもとに、どのように文字を配置すれば美しく映えるのか、納得いくまで手を動かす姿が多く見られました。

「書く前」にこそ、探究がある

今回の活動は、探究の6段階のうち「02 計画」にあたるもの。実際に筆を取る前に、言葉の意味を掘り下げ、表現の方法を考える――まさに探究的なアプローチでした。

完成した草稿は、教員のチェックを経てOKが出れば、いよいよ次の制作段階へと進みます。

“自分の言葉”を“自分の書”で表現する

書道とは、単なる筆遣いの技術ではなく、自分自身と向き合い、言葉に思いを託す表現活動でもあります。今回の探究チャレンジを通して、生徒たちは「書の計画力」と「表現の幅広さ」を学び取りました。

完成した行灯作品は、今後校内でも展示予定です。言葉を選び、書体を選び、構成を考え抜いた一人ひとりの“探究の軌跡”を、ぜひご覧ください。