5月8日、3年生の論理国語の授業にて「探究チャレンジ」が実施されました。今回のテーマは、私たちが日常的に行っている「読む」という行為を深く掘り下げ、「文章を理解するとはどういうことか?」を探る内容でした。
◆ めあて:「読む」を理解する
授業冒頭、教員から「りんご」「人が走る」といったシンプルな言葉が提示され、それを聞いたときに私たちはどのようにそれを理解しているのかをペアで確認し合いました。この活動を通して、単に「読める」ことと「意味を理解する」ことは異なるという認識を深めていきました。
さらに、古文の和歌「いたづらにいきてはきぬるものゆえ…」が例に出され、読みはできても意味をイメージできない状態を体感しました。「読む(見る)」≠「読む(理解)」というメッセージが強調され、「頭の中で映像化されているかどうか」が理解の鍵であることが示されました。
◆ テーマに迫る:音楽を通して情景を「読む」
本時の中心活動では、GReeeeNの「始まりの唄」を題材に、歌詞から情景を読み取り、それをイラスト化するという探究的なアプローチが取られました。
- 歌を聞きながら、各自で情景を想像し、4つのパートに分けてイラストを描く
- グループで自分のイラストとその根拠を歌詞から説明し合う
- 合議の上、グループとして1枚の大きな紙に4つの情景をそれぞれ紙芝居のように描く
- 他のグループへ代表者が出向き、紙芝居形式でプレゼン
この活動を通して、生徒たちは「映像化をともなう読み」を体験的しました。
◆ 正解は予想の外に:ミュージックビデオとの答え合わせ
最後に、実際のミュージックビデオを視聴。生徒たちの多くは「旅立ち」や「門出」といったイメージを思い描いていましたが、ビデオには誰も予想していなかった一貫した大きなテーマがありました。このギャップが生徒たちに強い印象を残しました。
◆ 授業のまとめ:読む力を育むために
教員からは、「事前知識は文章の理解を助ける一方、思い込みの原因にもなる」との指摘があり、精読の大切さが語られました。
生徒には、授業を通して感じた「大事だと思ったことを3つ」自宅で書いてくるようにという宿題が出され、学びを家庭に持ち帰るかたちで締めくくられました。
この授業は、言葉をただ読むのではなく、「意味をもって読む」ことの奥深さとそれが正しいかどうかを生徒が自ら考え、感じ取ることのできる貴重な探究の機会となりました。









