3年8組の数学Ⅲでは、「積分法とその応用」の単元で少し変わった授業を行いました。
テーマは、「図は何のために描くのか?」です。
いつもの回転体をあえて変えてみる
回転体の問題では、教科書に図が載っていることがほとんどです。しかし今回は、その図をあえて消しました。
代わりに行ったのは…なんと「リスニング問題」です。
問題文を一度だけ読み上げ、生徒は聞き取った情報をもとに、自分で図を描き、立体をイメージしていきます。
白紙から始まる数学
今回、生徒には白紙の紙を1枚だけ配りました。「穴埋めプリントだと、“埋める作業”になってしまう。」そんな思いからです。まず何を書くのか。座標軸を書くのか。条件をメモするのか。図を描くのか。その選択自体が数学的活動になります。
「聞き逃すと、立体が変わる」
最初の問題は、「半径1の円を x 軸のまわりに回転する。ただし円の中心は (0,3) である。」
というもの。生徒たちは、
- 球を描いた人
- 円柱のように考えた人
- 中心を (3,0) と勘違いした人
など、さまざまな図を描いていました。しかし、グループで共有する中で、
「あ、自分は中心を聞き逃していた」「x軸回転を勘違いしていた」
という“ズレ”に気づいていきます。
数学なのに、英語のリスニング?
授業では、「英語のリスニングって、単語を聞き取るテストなの?」
という話もしました。大切なのは、単語を全部覚えることではなく、「必要な情報を整理して、意味を構成すること」です。
数学も同じです。
- 回転軸はどこか
- 何を回転させるのか
- 囲まれた部分はどこか
を整理できなければ、立体は正しく見えてきません。
図は「計算のため」だけじゃない
授業の最後に伝えたのは、次のことです。「図は、他者に自分の考えを伝えるために描く。」頭の中で「わかったつもり」でも、図にすると曖昧さが見えてきます。さらに、図があることで、「自分はこう考えた」を他者と共有できるようになります。
今回の授業では、「図を描きなさい」とは言っていません。しかし、生徒たちは自然と図を描き始めました。それは、「図が必要になった」からです。
振り返りより
授業後、生徒たちはGoogleスプレッドシートに、
- 「対話で変わったこと」
- 「まだわからないこと」
を入力しました。
その中には、「自分のイメージが意外と曖昧だった」「図を描かないと人に説明できなかった」「友達の図を見て初めて理解できた」という声もありました。数学の授業ですが、「聞く」「整理する」「共有する」ことの大切さを改めて感じる45分となりました。




