〜歌詞を通して“自分の思い込み”を探究する国語授業〜
6月1日(月)、3年生国語「探究チャレンジ」では、GReeeeNの『始まりの歌』を題材に、「人はどのように文章を理解しているのか」を探究しました。今回の授業で生徒たちが取り組んだのは、単なる“歌詞の読解”ではありません。
「なぜ自分はそう読んだのか」
「どんな言葉からその情景を想像したのか」
「自分の経験や知識は、読み方にどう影響しているのか」
——そんな“読みそのもの”を考える授業でした。
まずは「自分なりの情景」を描く
授業の最初、生徒たちに示されたのは歌詞の一部分。
生徒たちは音楽を聴きながら、「この場面では、どんな映像が流れていそうか」を想像し、絵や言葉で表現していきました。ここで大切にされていたのは、「絵の上手さ」ではありません。歌詞を読み取り、自分の中で情景をイメージできているか。つまり、“言葉から世界を立ち上げる力”が求められていました。
「始まりの歌」なのに、実は“終わり”の曲?
多くの生徒は、
「今日から始まる」
「旅」
「歩き出す」
といった言葉から、“新しいスタート”をイメージしていました。
しかし、授業後半で明かされたのは、この曲が「閉校式」のために作られた歌だということ。
つまりこの曲は、
“始まり”でありながら、
同時に“別れ”や“終わり”も描いていたのです。
この瞬間、生徒たちは自分たちの「読み」が、無意識の思い込みや経験によって形作られていたことに気づいていきました。
「読む」とは、文字を見ることではない
授業ではさらに、「人は文字情報だけで文章を理解しているわけではない」という話へ進みます。例えば、「旅」という言葉から“門出”を連想したり、「始まり」から“希望”を感じたりするのは、自分自身の経験や知識があるからです。つまり、人は文章を読むとき、“書かれていること”だけでなく、“自分の中にある知識や経験”を使いながら理解しているのです。生徒たちは、「読む」という当たり前の行為の奥深さについて考えていました。
他者との対話で、自分の読みを更新する
授業中にはグループ活動も行われました。生徒たちは、「自分はこう思った」「この言葉からこう想像した」と意見を共有しながら、自分にはなかった視点に触れていきます。最初は「こういう意味だ」と思っていたものが、「いや、別の読み方もできるかもしれない」へ変わっていく。こうした“対話による思考の更新”も、この授業の大きな特徴でした。
探究していたのは「歌詞」ではなく「自分の思考」
今回の授業で生徒たちが探究していたのは、単なる歌詞の意味ではありません。
- 人はどうやって文章を理解するのか
- 思い込みはどこで生まれるのか
- 自分の読みは本当に正しいのか
- 他者との対話で考えはどう変化するのか
そんな、“思考そのもの”を探究していました。
岡山一宮高校では、「答えを覚える授業」ではなく、
「なぜそう考えたのか」
「本当にそう言えるのか」
を問い続ける学びを大切にしています。
今回の探究チャレンジでも、生徒たちは“読む”という日常的な行為を通して、自分自身の思考と向き合う時間を過ごしていました。


