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  4. 第34回探究チャレンジ(物理✕数学教科横断)ー等速円運動の加速度は0なのか?ー

2年生理数科の数学の授業で探究チャレンジを実施しました。校内の先生方に加え、大学の先生にも授業を見ていただき、教員研修としても大変貴重な時間となりました。

「等速=加速度ゼロ?」から始まる探究

授業の前半では、物理で既に学習している「等速円運動」を題材に、数学Ⅲの内容と結び付けた教科横断的な授業を行いました。

まず示したのは、時計の秒針。
「秒針は等速で動いているよね?」
ここまでは全員の意見が一致します。

では次に、
「等速ということは、加速度はゼロだと言えるかな?」
この問いを投げかけると、生徒の意見は大きく分かれました。
「ゼロだと思う」生徒もいれば、「ゼロではないのでは?」と考える生徒も多く現れ、教室には自然と“考えたい空気”が生まれました。

そこで、位置を微分して速度を求め、さらに速度を微分して加速度を求めるという考え方を用いて、実際に確かめていきます。
すると、加速度はゼロではなく、常に中心方向を向いていることが分かります。

ベクトルで考えることで、
・速度が接線方向を向いていること
・速度と加速度の内積がゼロになること
・加速度が中心向きである理由
といった点も、論理的に整理することができました。

「物理の内容として知っているつもりだったことを、別の教科の視点で見直す」。
まさに探究的な学びが、教室の中で立ち上がる瞬間でした。

後半20分は「微分フラッシュカード」

授業の後半20分では、微分の定着を目的に、オリジナルの「微分フラッシュカード」を使用しました。

このフラッシュカードは、GoogleスプレッドシートにGASやHTMLを組み込み、4択問題がランダムに出題される仕組みになっています。生徒は一人一台で取り組み、解答スピードも自動で記録されます。

今回は、4人グループごとに個人の解答時間をもとに中央値を算出し、グループ同士でタイムを競う形式にしました。
最も速いグループは、10問を30秒以内で解き切るという驚くべき結果を出していました。

何より印象的だったのは、20分間、全員が集中して微分問題に取り組んでいたことです。
通常のドリル形式では難しい集中が、ゲーム性(ゲーミフィケーション)を取り入れることで自然に生まれていました。

探究と基礎は、つながっている

探究的な問いで思考を深め、最後は基礎的な技能を徹底的に鍛える。
一見別物に見えるこの二つは、実はしっかりとつながっています。

今回の探究チャレンジは、生徒にとっても、教員にとっても、
「考えること」と「練習すること」の両立を実感できる授業となりました。

今後も本校では、こうした授業実践を通して、生徒の学びをより深く、より確かなものにしていきます。