11月14日(金)7限、1年生普通科・理数科の生徒たちが「iC融合探究」の授業で、『食糧問題とバイオテクノロジー』をテーマに探究活動を進めました。
今回の授業のねらいは、ただ知識を学ぶことではありません。
自分の学びを自分で進められる力(自走力)を育てること。
そのために、生徒たちは「探究面談チェックリスト」を活用しながら、計画を立て、行動し、振り返るという流れを自分たちの手で組み立てていきました。
■ まずは「今日の目標」を自分で決める
授業の冒頭、全員がワークシートの①に「今日の目標」を書き込みました。
・テーマを絞って調べたい
・計画を立てたい
・まとめを進めたい
・発表の準備をしたい
一人ひとりの目標が違っているのが、この探究の良さです。
担任や教科担当が生徒の目標をチェックしながら、必要に応じて声をかけていきます。
生徒が書いた目標を確認すると、「どこに向かって何をするのか」が自分の言葉で整理されていて、学びへの主体性が育っている様子が感じられました。
■ グループでの共有──仲間の目標を知り、学び方を学ぶ
今日の目標を決めたあと、生徒たちはグループで共有し合います。
「前回うまくいかなかったから、今日はここを改善したい」
「この資料を読んでみたい」
「新しい問いが見つかったので調べてみる」
周りの仲間の考えを聞くことで、自分とは違う学び方を知ることができます。
この時間は、探究における“視野の広がり”が自然と生まれる大切な場面です。
■ 探究活動に集中する10分──“新しい問い”が動き出す
活動パートでは、Chromebookや資料を使いながら、生徒がそれぞれの探究を進めました。
・情報収集
・問いの更新
・計画の修正
・次の方針の整理
問いが深まるほど、「もっと知りたい」「なぜだろう」と生徒自身の内側から意欲が湧いてきます。
先生たちは、必要以上に答えを与えず、生徒が自分の力で前に進めるように伴走します。
授業中、次々と“新しい問い”が生まれていくのが印象的でした。
■ 振り返り──学びの軌跡を「探究6段階」で可視化
活動後は、今日の自分の取組を「探究6段階」に照らして振り返りました。
01 気づき
02 計画
03 実行
04 まとめ
05 考察
06 発表
どの段階にいたのかを自分で判断することで、学習の位置づけを客観視する力が育ちます。
また、「うまくいったこと」「課題に感じたこと」も丁寧に記述しました。
生徒たちの振り返りには、次につながる前向きな言葉が多く見られました。
■ クラス全体で共有──学びが“他者の財産”になる
最後に、生徒は自分の成果や気づきをクラスのスプレッドシートに入力し、互いに閲覧できるようにします。
「他の人はこんな工夫をしているんだ」
「同じテーマでも視点が違うとおもしろい」
生徒同士の学びがつながり、教室全体が探究するコミュニティになっていきます。
■ おわりに
今回の「iC融合探究」は、生徒自身が学びを“運転する側”に回る授業でした。
計画 → 行動 → 振り返り のサイクルを自分でまわす経験は、将来の学びやキャリアにも通じる大切な力になります。
生徒たちは一歩ずつ、自分の力で探究を進められるようになっています。
次回の授業では、今日の振り返りを踏まえてどんな問いが生まれるのか、私たちも楽しみにしています。